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当館について

ごあいさつ

水戸市立博物館は、1980(昭和55)年7月1日に中央図書館との複合施設として開館した総合博物館です。郷土水戸に関する資料を自然・歴史・民俗・美術の4部門において収集し、展示・公開しています。
また当館の収集・保管する資料を活用した教育普及事業として、歴史講座や自然観察会等も行なっています。特に年数回行う展覧会では、テーマに沿って広く資料を集め、皆様に紹介しています。

令和5年に入り、水戸市立博物館をとりまく環境も大きく変わってきています。
令和5年4月には、博物館法が70年ぶりに改正され、資料活用に重点を置いた博物館運営が求められています。さらに、令和5年7月には、水戸市の芸術文化活動の拠点として「新市民会館」が博物館近くで開館を迎え、当館を含めた近隣地域での人の流れも活性化していくことが予想されます。
ここ数年は新型コロナウイルスの影響により、感染症対策の徹底を図り、臨時休館をすることもありましたが、令和5年は収束傾向にあり、入場制限等の対策も緩和されてきました。

こうした変化を迎える中で、実物資料の展示を通して、楽しみながら学ぶことができる場所としての博物館の役割はますます重要となってきています。全国的に資料活用の気運が高まる中でも、水戸市立博物館では貴重な博物館資料の保全にも留意し、資料を確実に後世に継承してまいります。また、制限の緩和や近隣での芸術文化活動の活発化をよい機会ととらえ、これからも楽しい展覧会を企画してまいりますので、足をお運びいただけると幸いです。

令和5年4月1日

水戸市立博物館 館長 鈴木雅人

 

各部門の紹介

水戸市立博物館には、美術・自然・歴史・民俗の4つの部門があり、担当の学芸員がいます。常設展で各部門の収蔵資料を公開しています。

【歴史部門】 主に近世から近現代の水戸の歴史を物語る歴史資料の収集・調査、研究を行っています。特に、水戸藩関係史料の収集、水戸空襲の記録に力を入れ、毎年テーマを設けて展示を行い、資料を紹介していきます。
[主な収蔵資料] 近世から近代の水戸の城下絵図、水戸市街地図、水戸藩幕末史関係資料、明治以後の教育史・交通史等の資料、水戸に関わる絵葉書、水戸空襲関係の資料

【民俗部門】 水戸の街や人々に暮らしの移り変わりがわかる資料を収集・展示しています。特に、昭和時代に使われた生活道具が充実しており、常設展や展覧会で紹介しています。また、学校との連携事業に力を入れ、小学3年生向きに昔のくらしの体験講座を行っています。
[主な収蔵資料] 行灯やランプ等の生活道具類、火鉢や湯たんぽ等の暖房具類、水戸駅関係資料、学生野球の父「飛田穂洲」関係資料他

【自然部門】 生物の生息状況を中心に、水戸市内の自然環境の調査、情報収集を行っています。標本資料や写真資料を展示し、水戸の自然環境の今を伝えていきます。
[主な収蔵資料] 水戸市内や県内で拾得された生物のはく製標本・液浸標本、日本国内外の昆虫コレクション、水戸市周辺で採集された植物の押し葉標本、各種化石・鉱石類

【美術部門】 江戸時代から現代にいたるまでの、水戸にゆかりの深い美術家の絵画、彫刻、工芸等の作品を収集しています。年4回の展示替えを行い、所蔵作品を紹介しています。
[主な収蔵資料] 立原杏所・萩谷䙴喬・林十江等の近世絵画、五百城文哉・中村彝・横山大観等の近代絵画、木内克・後藤清一等の彫刻他