令和2年度 美術部門 常設展示 水戸の美術Ⅰ
期間:令和2年6月13日(土)~令和2年8月23日(日)
  • 常設展
  • 美術部門

テーマ1 辻永の植物画ー春・初夏の草花ー

辻永(1884-1974)は、明治時代に生まれ、大正時代から昭和時代にかけて活躍した水戸出身の洋画家です。辻は展覧会で活躍する一方で、植物に高い関心を持ち、植物画を描いていました。その一部が『萬花図鑑』全12巻(昭和5~7年)、『萬花譜』全12巻(昭和30~32年)として出版され、好評を博しました。
今回の展示では、3月・4月の植物を収めた『萬花図鑑』第1集、5月・6月の植物を収めた第2集の中から、かわいらしい草花の作品を紹介します。

やぶへびいちご

テーマ2 小泉壇山(斐)

小泉壇山(こいずみだんざん、1770ー1860)は、現在の栃木県益子町に生まれた江戸時代の画家で、水戸ともつながりの深い人物です。鮎の絵を多く描いたことで知られ、精緻で穏やかな作風が特徴の画家です。
この展示では、代表的な主題の鮎を描いた作品のほか、人物図、さらに門人であった立原杏所の作品をご紹介します。

小泉壇山「鮎図」

テーマ3 近代の水戸の美術ー益子コレクションを中心にー

水戸市立博物館では、郷土にゆかりのある作家の美術品を所蔵していますが、その核の一つとなっているのが、益子コレクションです。このコレクションは、水戸市内で材木商を営んでいた益子六郎氏(1890~1963)が収集した絵画を中心とし、後の代に収集された作品も含めると、その数は90点以上に及びます。その中に含まれる、大正~昭和時代に活躍した地元出身の画家たちの作品や、彼らとつながりのあった画家などの作品を展示しています。

田沢八甲「卓を囲む人物」