テーマ1 彰考館誕生350年記念 「大日本史」編纂と水戸藩
令和4年(2022)で、「大日本史」編纂を担った彰考館が誕生して350年の節目を迎えます。そこで、本年度の常設展では、「大日本史」編纂事業を中心に水戸藩の歴史をたどっていきます。
二代水戸藩主光圀によって始められた編纂事業は、部分的な完成と修正を繰り返すこととなり、なかなか出版まで至ることはできませんでした。「大日本史」が刊行されるに至ったのは、江戸時代後期の嘉永4年(1851)のことでした。しかし、その後も編纂が続けられ、編纂開始から約250年が経過した明治39年(1906)にようやく完成を迎えました。
本テーマでは、これまで公開される機会の無かった史料も用いながら、彰考館及び「大日本史」編纂事業の姿を取り上げます。
テーマ2 戦争と水戸のまち
明治時代になると、近代国家日本は海外に進出を図るようになり、日清・日露戦争を始め多数の対外戦争が行われることとなりました。軍事が次第に重視される中、水戸にも軍隊が駐屯することとなり、水戸市民にとって軍隊が身近なものとなりました。
中国及びアメリカ・イギリスとの15年にも及ぶアジア・太平洋戦争が始まると、国民の生活も軍事一色に染められ、まちでは空襲への備えが叫ばれることとなりました。そして、昭和20年(1945)8月2日の水戸空襲によって、水戸のまちは焼け野原とされてしまいます。
本テーマでは、戦争と深く結びつく水戸のまちの姿を、軍隊・空襲に注目しながら紹介します。