令和5年度 常設展示 水戸の美術Ⅲ
期間:令和6年3月23日(土)~令和6年5月26日(日)
  • 常設展
  • 美術部門

テーマ1 工芸

本展では、当館所蔵品のなかから、陶芸・モザイク・漆芸・鍛金・彫金の領域で活躍した、水戸ゆかりの工芸作家の作品を紹介します。

陶芸は、土の表面に独特の線描を施した城戸夏男、象嵌技法による繊細な表現と、愉快な造形が特色の小林征児の作品を展示します。そのほか、モザイク作家の須藤了三、漆工家の寺本輝正、金属の板を叩き成形する「鍛金」の技法により抽象作品を生み出した松田正巳、そして「蹴上彫」を得意とした彫金家の野澤秀湖の作品をご覧いただきます。

土、木、漆、ガラス、卵殻、金属といった素材と、個々の作家が得意とするさまざまな技法を用いて作られた、独創的な作品の数々をお楽しみください。

小林征児「虫」

城戸夏男「焼締花器」

テーマ2 山のある風景

本展では、当館所蔵の洋画及び版画作品のなかから、山のある風景を描いた作品をご紹介します。

箱根や蓼科などの山に囲まれた風景の一部や、山も麓の湖、山の上に広がる青空など、「山」という一つのモチーフに着目しても、実に様々な作品が見られます。

どの作品も作家独自の視点によって、そびえ立つ山が大きな存在感をもって描かれ、色の重ね方や絵筆の使い方のほか、油彩・水彩・木口木版(木の横断面を彫り版を作る)といった技法の違いも、作品の個性を際立たせています。

山の風景を描いた多彩な作品と作家それぞれの世界観をどうぞお楽しみください。

辻永「新樹匂ふ」

テーマ3 水戸の日本画

本展では、江戸時代末期から明治、大正、昭和にかけて活動した、水戸ゆかりの日本画家たちの作品を紹介します。

江戸から明治へと時代が遷り替わるなかで、あくまで師から受け継いだ伝統の枠の中で絵を描き続けた画家が、水戸にもたくさんいました。今回はそのなかから、江戸時代の水戸を代表する画家・立原杏所の門下であった松平雪山とその門人たちや、江戸時代末期の御用絵師で狩野派の画家・山内伊村、さらに、宇佐美大奇、酒井藍山、酒泉五楓の作品を展示します。

酒井藍山「三顧之図」

宇佐美大奇「龍虎図」