令和6年度 美術部門 常設展示 水戸の美術Ⅱ
期間:令和6年9月3日(火)~9月29日(日)
  • 常設展

テーマ1 近現代の彫刻

近代の水戸ゆかりの代表的な彫刻家として、木内克(きのうちよし、1892ー1977)や後藤清一(1893ー1984)が挙げられます。水戸出身の木内克は、大正10年(1921)から昭和10年(1935)の15年にも及ぶ長いヨーロッパ滞在を経て、力強く大らかな作風を確立し、柔軟な人体像を数多く制作しました。同じく水戸出身の後藤清一は、仏教やエジプトの美術品などから影響を受け、深い精神性を帯びた独特の作品を生み出しました。
今回は、木内克と後藤清一の作品のほか、大正時代生まれの小森邦夫や小鹿尚久、そして昭和時代に生まれ令和の時代まで活躍する後藤末吉、能島征ニ、中村義孝らの作品を、人体像を中心に展示します。

テーマ2 水戸の三画人ー立原杏所・萩谷セン喬・林十江ー

江戸時代の水戸ゆかりの画家の中から、江戸時代後半に活躍した立原杏所(1785ー1840)・萩谷セン喬(1779ー1857)・林十江(1777―1813)の作品を取り上げます。
立原杏所は、水戸藩士でもあった画家で、繊細で品格ある画風が特徴です。花鳥画や山水画を数多く描きました。萩谷セン喬も、水戸藩士でしたが画家としても活躍し、藩主・徳川斉昭の肖像画や、弘道館と好文亭の襖絵などを手がけたことで知られています。そして、林十江は、自由で奇抜な画風が特徴の画家として知られ、人物のほか、蜻蛉や蛙、鰻、植物などさまざまな題材を描きました。
この三人の画家は、江戸時代後半の水戸の代表的な画家として「水戸の三画人」と呼ばれています。画家それぞれの特色が表れた作品の数々を、ぜひお楽しみください。

立原杏所「雪中小禽図・柳下水禽図」 水戸市指定文化財