令和6年 美術部門 常設展示 水戸の美術Ⅲ
期間:令和6年12月7日(土)~令和7年1月19日(日)
  • 常設展
  • 美術部門

テーマ1 白牙会の作家たち

白牙会は、今から100年前の大正13年(1924)に水戸で結成された、本県初の本格的な美術団体です。公募制の展覧会を主催し、美術の講習会を行うなど、茨城の美術界の発展に大きな役割を果たしました。
本展では、当館所蔵品のなかから、白牙会の会員たちが敬愛した中村彜(1887-1924)や辻永(1884-1974)、熊岡美彦(1889-1944)、そして白牙会会員たちの作品を、洋画を中心にご紹介します。

辻永「利根川風景」

 

テーマ2 五百城文哉の世界

五百城文哉は水戸藩士の子として幕末の文久3年(1863)に水戸に生まれ、明治39年(1906)に42歳の若さで日光に没した明治時代の洋画家です。東照宮や輪王寺等の壮麗な社寺建造物を水彩で描き、その作品は水彩画の本場イギリスでも高く評価されました。また、五百城は植物への関心が高く、牧野富太郎等の植物学者と交流を重ねる中で描いた高山植物写生図は、日本の植物画の先駆的な作品として、今日では注目を集めています。
今回の展示では、北茨城に滞在して描いた肖像画の優品と、日光で社寺を描いた作品の数々、そして数多くの種類の花々が咲き誇る屏風仕立てと軸装の作品、さらに晩年の代表作とも言うべき「高山植物写生図」全94点のなかから選んだ18点をご紹介します。

五百城文哉「晃嶺群芳之図」、水戸市指定文化財