画僧・月僊(1741-1809)は、浄土宗の僧侶であり、伊勢山田(現在の三重県伊勢市)の寂照寺の住職を務めた人物として知られています。主に人物画や山水画を得意とし、生涯を通じて数多くの作品を遺しました。写実的な描写と軽妙さを感じさせる作風が特徴です。
月僊は、水戸出身の画家・桜井雪館(1715-1790)に絵画を学んだ時期があり、寂照寺復興の資金集めのために現在の常陸太田市を訪れた際には、水戸の立原杏所(1785-1840)や林十江(1777-1813)にも影響を与えたと考えられています。本展示では、月僊の描いた人物画や山水画を紹介します。